現代社会はどこに向かうのかー高原の見晴らしを切り開くということ

いつ買ったのか、本棚に並んでいた。

 

「ビジネスの未来」山口周著 でも触れられていて、高原のコンセプトのモチーフになっていた。近代社会、資本主義の限界と「成長」をやめた生き方について、その後の著作に影響を与えた本だと思う。

 

・世代間の価値観、ギャップはすくなくなっている(団塊団塊Jr、新人類、新人類Jr)→一方、Z世代はデジタルネイティブで違いがあるように思うのは、価値観というより生活様式の部分か?

 

生物学者がロジスティック曲線と呼ぶ人口増加傾向。人類はすでに減少傾向に入っている。

 

・高度に産業化された社会は、これ以上の物質的な成長を不要なものとし、永続する幸福な安定平衡の高原(プラトー)として、近代の後の見晴らしを切り開くこと

近代の思考から見ると、成長完了後の世界は、停滞した魅力の少ない社会のように感覚されるかもしれないが、経済競争の強迫から解放された人類は、アートと、文学と、思想と、科学の限りなく自由な創造と、友情と、愛と、子供たちとの交歓と、自然との交感の限りなく豊饒な感動とを追求し、享受しつづけるだろう。

天国や極楽は未来のための現在ではなく、永続する現在の享受であった。天国に経済成長はない。

 

成長の終わり、脱資本主義、高原、精神的な幸せの追求というのは素晴らしいものだと思うけど、欧米をはじめとする諸国は資本主義の成長をやめようとしているようには見えない。グリーントランスフォーメーションを見かけに資本主義に修正を加えるか、さらなる成長も陰ながら志向しているように見える。そして欧州諸国の幸福度は上がりつつある。日本も脱成長の幸福度を求めるべきステージなのだと思う。

岸田政権のいう新しい資本主義も、この本のような考え方がバックグラウンドにあるのかもしれないが、悪しき追従のように思える。単に、安倍政権との違いを出したいだけか?欧米は成長志向や資本主義をやめようとは思っていない(おそらく)。

 

世界を変える2つの方法

①卵を内側から破る

ベルリンの壁がそうだったように、自由と魅力の力で内側から解放されないといけない

②連鎖反応

一人が1年をかけて共感する友人を1人作る

世界に連鎖して100億人に革命を起こすのに100年かかる

「一華開いて世界起こる。その1つ花が開くときにも、1つの細胞がまず充実すると、他の一つずつの細胞が触発されて充実する、という充実の連鎖反応によって、全体が大きく開くのだという。今ここに1つの花が開くとき、すでに世界は新しい。」